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Channel: じょいフルデイズ
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欲は言いません

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お正月に着物を着ました、的な記事かと思いきや、
なんとびっくり、今さらアサの七五三の話です。
去年の!11月末日の。

着物が好きなものでして、アサがまだ1歳か2歳の頃から
着物だけは早々と買っておりました。
すでにその頃から、この子には流行りのキラキラした今どきの柄は
似合わないと分かっていたので、
じょいフルが子どもの頃からあったような、ど真ん中の古典柄です。
ようやく日の目をみる時が来て初めて、
3歳のアサに着せ付けるには、裾と肩のあげをしないといけないことに気が付きました。
まぁこれだけ近くに、しかも両方の実家があるんだから、
こういうのに慣れた誰かがやってくれるかなーと気楽に構えていたら、
ブリちゃんのお母さんには和裁の本のコピーを渡されて「頑張ってね」と言われ、
じょいママに至っては笑ってスルー。
これはまずいと、おそるおそる着物を広げてみるも、
ズボンの裾上げとかパンツのゴム替えならいざ知らず、
和裁ってなんだか特別なルールとか手技がありそうで、
だいたい、このツヤツヤの正絹の生地に針を刺すなんて怖くてしょうがない。
そうは言っても、自分の娘に着物を着せるという積年の思いを叶えるためには
七五三の明日までに、なんとかあげをやりとげるしかありません。
ブリちゃんのお母さんにもらった、
記号だらけの難解なコピーを読み解いて分かったことは、
着物のあげというのは、型紙通りに切って縫っての洋裁とは全然違って、
あげをしたい寸法を計測したら、その一つの計測値から
複雑な過程で折り山を決めたり、針を打つ場所を決めたりしないといけないということ。
反物という一本の細長い布から、あらゆる体型に合った着物を仕上げるというのは、
大変に理論的でシステマティックな技術であるわけです。
おばあちゃんは女学校で着物の仕立てを習ったと言っていたけど、
昔の女の人は図形とか算数とかが得意だったんだなぁと思わずにいられません。

ようやく長襦袢と着物のそれぞれの裾上げと肩上げが済んだ時には
もう午前3時を回っていました。
昔の母親は、事あるごとに着物をあげたり解いたりしながら
娘の成長を見守ってたんだなーと思うと、
じょいフルもその伝統に則ったような、
昔ながらの母親の務めを果たしたような、
なんとなく満足した気持ちで布団に入りました。

翌朝、アサを実家に連れて行って、
どうよすごいでしょう私が自分で着物のあげをしたんよと
意気揚々と着物を出して、そこで初めてアサに着せてみたら、
あれまぁ、着物の丈が短すぎる。
くるぶしが出るどころの話ではなくて、
とても外を連れて歩けないレベルに短すぎて、
きちんと測ったはずなのに何で間違えたのかとか
昨日のあの頑張りはなんだったんだとか、
あれやこれやが頭を巡って某然とするじょいフルをよそに
じょいママは「何とかしないと間に合わんでしょう」と言いながら
さっさと裁縫箱を出してきて、太い針と木綿の手縫い糸(!)で
ザックザックと適当にあげを縫い直してしまいました。
この時点で、絹に針を刺すのが怖いとか言ってた
昨日のじょいフルの可愛いビビりは完全になかったものになり、
さらには、それでも長襦袢がのぞくので
安全ピンで長襦袢を縫い止めるという強引な補正が始まり、
昔ながらの母親の務めだとか、
伝統に則ったとかいう話はガラガラ崩れていく中で
七五三で着物を着た3歳の女の子が完成しました。

予想通り、写真館のチラシにラメとか星を散りばめて載っている
キラキラの着物姿ではなく、このままじょいフルの七五三の時でも通用しそうな
昭和な着物稚児になったアサを連れて、
ブリちゃんの実家の近くの神社でお参りをしました。
この姿が、このまま将来、今どきのおしゃれ女子になり切れないかも知れない
アサの姿を暗示してるんじゃないかという不安を覚えつつも、
まぁ見た目がどうとか、着るものがどうとかいう話じゃなくて、
このままのびのびと育ってくれたらそれでいいですという思いで、
お参りをしてきました。
もちろん、健康で怪我とか大病を患ったりしなければ、いいに越したことはありません。
ついでに学業も優秀なら、なおいいです。
親が言わなくても自分で勉強してくれたら、 もっといいです。
あんまり欲は言いませんけど、もちろん。








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